2023/09/05

偶数? 奇数?

 とある商品の検品レポートを見て気がついた。

左から、「検品数」「良品数」「不良品数」と並んでいたレポートだったんだけど…


370    90    280

810    170    640

310    98    212

310    92    218

114    32    82

220    58    162

132    42    90

112    18    82


全部偶数!

まあ生産機器の関係で生産数(≒検品数)が全部偶数になることはあるかもしれない。
しかし良品数(不良品数)が8階連続で偶数になる確率は(1/2)^8、256分の1でしかない。
まぁあり得ないというほどの確率ではないものの、前後の事情から察するに後から適当に書いた数字なんだろうなぁと思うのであった。
そこでふと、「人は適当に数字を選ぶと偶数になる傾向」があるのでは?と思いついた。

ちょうどグーグルの生成AI「BARD」の日本語対応が始まったというニュースを先日見たので、そのような統計的な資料はあるのか聞いてみたところ…





あるらしい!
2002年の論文で偶数を多くつくる傾向が示されたんだとか!
ただし、このBardの説明では”ルイスの実験では、被験者に1から100までの数字をランダムに10個書いた紙を渡しました。その結果、被験者が書いた数字の約55%が偶数、約45%が奇数でした。”となっており、これじゃ書いたのルイスじゃん…。
ちょっと怪しげなので出典を尋ねると科学論文データベース「PubMed」にて、「The Psychology of Random Numbers」という論文として公開されているとのことだったので早速検索したみたが、無い…。 Bardちゃんに聞いてみると、古いので削除されちゃったのかも(テヘ とのことで信憑性はもう一歩だけど、とりあえず「人は55%の確率で偶数を選ぶ」という主張は得られた。 さらにググってみるとほぼ日の記事がひっかかった。 日本人の思い。というコーナーで、総勢5,791人に、あなたが好きなのは偶数か?それとも奇数か?と尋ねてみたというもの。
https://www.1101.com/omoi/2004-07-30.html こういうくだらない日常的な疑問を思いついて調べてみるとほぼ日に取り上げられていることが結構ある。やるなー
ほぼ日の記事は2004のもので、偶然にもルイスの論文とほぼ同時期と言えるだろう。
さて、気になる結果はというと、偶数好きが47.2%、奇数好きが52.8%とルイスの論文とは逆の結果となっていた。
これはなんだろう?パッと考えられる理由は…
日米の差異か?
「好き」と「ランダムに書く数字」は相反する傾向にあるのか?
ルイスの実験には1から100までという制約があったからか?
そもそもサンプルが少なすぎか?
うーむ…

さらにほぼ日の調査では年齢別、性別別の分析も行われていて、高齢になるほど奇数が好きになる傾向や、女性の方が奇数好きが多い傾向などが示されていてすごく面白い。
さらに、この記事で奇数が多いという結果を見た時に「ははーん。1が好きな人が多いんだろうな。1番はみんな好きだもんね」と思っていたのだが、調査では好きな数字も聞いていて、奇数好きに一番人気の数字はなんと「3」とのことでした。


なぜなんだ…。