2006/04/13
【Books】ゲーム理論を読みとく
『ゲーム理論を読みとく -戦略的理性の批判』
竹田 茂夫著
(2004、ちくま新書)
数学と物理学の天才フォン・ノイマンや映画「ビューティフル・マインド」で話題を呼んだジョン・ナッシュが創始したゲーム理論は、社会のどの分野でも見られる協調と対立の現象を数学的モデルで厳密に分析することを目指し、ビジネスの現場から国家戦略まで多くの分野で影響力を発揮してきた。しかしそうした考え方は大きな壁にぶつかっている。いまや現代社会科学の支配的パラダイムにまでなりつつある「戦略的思考」のエッセンスと広がりを描くと同時に、そこから脱出する道をさぐる。 (amazonより)
「ゲーム理論」、よく聞く言葉だが実態は全然分からない。「ゲーム」というからには楽しそうだが、「理論」というからには難しそうだ。難しくても楽しいことならば知らなければ損だ。しかし複雑な前提に立っているだろう理論をいきなり読んでも理解出来ようはずも無い。こういった時こそ新書の出番だ、と本屋に行ったらゲーム理論関係本盛りだくさん。いまが旬の理論です。
さて、俺はゲーム理論とは何ぞや、と知識の穴を埋めるべくこの本を購入したのだが、同じような方にはこの本はオススメしません。理論そのものに関する説明はほんのさわりだけで、後は筆者が目指す「批判」に向けてまっしぐらなので、ゲーム理論初学者が読むと却って偏見を持ってしまいそうですw
文体はとても読みやすく、意志を持って書いたのでしょう、平易な文体の中にも説得力が満ちています。いくつか主張に齟齬が生じているように思われるところもありましたし、筆者の道徳的信条が前面に出すぎて脱線気味の部分もあります。それでもすらすらと読めてしまう辺りに、この著者の頭脳の明晰さ、そして訴えたいことに対する思い入れが伺えます。
滞りなく読了し筆者の訴えも概ね理解したつもりですが、気が付いてみると「ゲーム理論とは何なのか」ということは分からないままでした。orz
次にこの話題に触れるときは「サルでも分かる」とは「スラスラ分かる」とか「グイグイ分かる」とか(これはメロだけか)、そういうものにしておこうかな。
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