2006/02/21

【Flick】ゴッドファーザー


ゴッドファーザー
(1972年、アメリカ)


監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:マーロン・ブランド
    アル・パチーノ 他




言わずと知れたコッポラの代表作であると同時に、70年代屈指の娯楽映画の傑作。夏の陽射しが眩しいコルレオーネの屋敷。そこで行われている彼の娘コニーの結婚式からこの物語の幕は上がる。華やかな音楽も届かない書斎では、ブラインドが降ろされ、その中でドン・ビトー・コルレオーネが友人たちの頼みごとを聞いていた。彼は相手が貧しく微力であっても助けを求めてくれば、親身になってどんな問題でも解決してやっていた。彼への報酬と言えば、ささやかな友情の証と、“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という尊称だけ。そしていつなりとも彼の呼び出しに応じ、恩を返せばよかった。これが彼らの世界であり、その掟であった。そんなある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォが仕事の話を持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくコルレオーネのコネを必要とした判断からだった。しかしドンはその話を丁重に断る。彼はドンさえ殺せばこの取り引きは成功すると鋭く見てとり、その日以来機会を狙っていた。そして早い冬の夕暮れ、一族の経営しているオリーブ・オイル社から出てきたドンは、街頭でソロッツォの手下に襲われた。銃弾を何発もうけたが、強靱な彼は一命をとりとめる。これは、ドンが築いてきた強大なコルレオーネ帝国とその支配力に対する初めての挑戦だった。ソロッツォの背後にはタッタリア・ファミリーがあり、すでにニューヨークの他のファミリーも動きだした。こうして1947年の戦いは始まってゆく……。 冒頭の圧倒的な実在感で繰り広げられる結婚式のシーン、映画のプロデューサーを脅す為に彼の愛馬の首がベッドから現れるショッキングなシーン、ビトーが果物屋の店先で撃たれるシーン、マイケルが深夜に重体の父が入院中の病院を見舞って警察とグルになった対抗組織の襲撃計画を間一髪でかわすスリリング、マイケルがレストランで対抗組織のボスとそれと結ぶ警部を射殺するまでのくだり、ソニーが有料道路の料金所で蜂の巣になる壮絶なシーン、ラスト近くの洗礼と殺戮の見事なカットバック、緻密な人間描写、そして重厚な人間関係……等々この映画の魅力は語っても語り尽くせない。この映画が製作されたのは70年代だが、PARTⅡと併せ、今に至ってもこれを越えるギャング映画はまだない。(allcinemaより)




恥ずかしながら、初めて観ました。
さすがに名前は知っていたし、アルパチーノも好きなので観たかったんだけど近所のツタヤに無かった、という何とも手抜きな理由で観ていませんでした。いやー恥ずかしい。これを観ずに映画を語るとは。恥ずかしい。それほどの作品です。allcinemaの解説が何時に無く熱いのも分かります。
熱い解説に要点はほぼ書かれているので俺のレビューなんざ必要ないのだが、それじゃあんまりなのであえて蛇足を。
まずマーロン・ブランド。これまた恥ずかしながらまともに観たのは多分初めてだが、とても重厚ないい演技をしていた。眉一本まで統率された演技は正に本格派。俺はアルパチーノの演技力をとてもとても高く評価しているのだが、この映画を観る限り彼はアルに比肩している。(まぁ、年からすれば逆なんだろうけど(^^;
アルパチーノは今さら語るまでもない。唇の開き方まで計算された(と思う)演技には引き込まれずにはいられません。若かりしころの強い瞳もイイ!(・∀・)

また、この映画は映像も素晴らしいです。
マフィアものということで暗ったく硬い雰囲気を創造していたのですが、陽光やわらかいのどかな自然も登場し、屋内のシーンにおいても明暗の使い分けが本当に素晴らしく、構図といい彩色といい「これぞ映画」という王道を貫くものがあります。

いやー、映画って本当にいいですね。


総評 99点 参りました。m(__)m

2006/02/20

【Flick】殺しのターゲット


殺しのターゲット
(2003年、アメリカ)

監督:ジョン・バダム 
出演:キャンディス・バーゲン
    バグ・ホール 
    ブライアン・ブラウン 




“スパイ小説の女王”と呼ばれる女性作家、デイジー・ロウェンダール。夫ロビーを家に残し、自分の別荘がある島で、島民たちが開いてくれたファン向けイベントに出席する。イベントの後、別荘に戻ったデイジーは何者かが入ってくる気配を感じ取る。最近彼女は何者かから脅迫を受けていた。気配の正体は彼女のファンだという青年スペンサーだったが、彼によれば彼女の愛犬が近くで死んでいたらしい。そこにデイジーの通報を受けた地元警察の刑事エディも現れるが、スペンサーは他の侵入者が別荘に入っていくのを見たと言い出す。スペンサーはエディに解放されるが、それから事態は意外な方向へ……。(WOWOWの作品紹介から)




これは正確には映画ではなくTVMというものになるらしい。TVMってなんだろう?と調べたけど分からんかった。orz ご存知の方、教えてください。ちなみに日本での公開はWOWOWでの放送のみらしい。
内容はまぁ、典型的なサスペンス。
いかにも狙って作った感があり、先は読めるしパクリも目につく。ちょっと豪華な学芸会程度の作品といっていいかもしれない。ラストが完全に蛇足なのがまた痛い。


総評 30点 (・∀・)ゝ 時間の無駄でした。ハイ。

2006/02/16

【Trash】美の競演のジレンマ


トリノ五輪が開幕し、我らが日本勢はいまだメダルゼロであるが、まぁ俺はプレイヤーでは無いので勝敗についてシビアに考えてはいない。いいパフォーマンスが見られれば良し、勝てばもっと良し、程度のものだ。 もちろん選手はそんなこと言っていられないだろう。それまでの辛く長い数年間と等しい数分、数秒を過ごすのだから。

そこがスポーツの醍醐味でもあるのだが、一発勝負の本番ではしばしば番狂わせが起きる。
オリンピックには魔物が棲むとはよく言われるが、実力者が怪我で欠場したりありえない初歩的なミスをしたり、そういうことが必ず起きる。そんな時、歓喜に沸く「シンデレラ」の背後で呆然と敗因を探す実力者の姿は、時に勝者以上に印象的で美しくさえあるのだが。
彼らが魔物に憑かれたと表現するには必ず必要な前提がある。彼らが確かに負けていることだ。 ヨーイドンでゴールに駆け込むタイプの競技ならそういった問題は起こりづらいが、 あいにく冬季オリンピックには採点競技が多い。
審査による採点はどうしても個人の感覚に頼ることになってしまい、誤審や不正を生み出しやすい。また、採点の基準も均一化することは不可能なので、大抵の競技は数カ国の代表からなる審判団を設け、点数を合計又は平均化することで公平性を保とうとしている。が、これで問題が解決するかというとそんなはずも無く、先のフィギアの審判密約問題などが相も変わらず引き起こされる。
フィギアではそれを受けて採点方法を変更し、一つ一つの技に対して点数が付けられるようになったという。審判の裁量ではなく、この技は何点、と機械的に決められているのだ。
だがこの方式には大きな問題がある。
まず「技」を規定し、それらの完成度・組み合わせで加点していくという方法を取ったため、基本的に「技」以外の要素は審査基準から除外されるのだ。たとえば今回のフィギアで日本の荒川静香選手が得意とするイナ・バウアーという滑り方がある。その名の通りイナ・バウアーという選手が開発した片足を曲げ、もう片方の足を後ろに伸ばし、それぞれの足を180度開いて滑走するものなのだが、これは現在の規定では「技」ではない。彼女のイナ・バウアーは大きく反らした上体といい流れるようなスピードといい、とても優雅で美しいのだが「技」ではないため加点の対象にならない。単なる繋ぎ動作になってしまうのだ。
ソルトレーク大会で男子モーグルのジョニー・モズレーという選手が、現在上村愛子が得意とする「コークスクリュー720」に近い3Dエアを跳んだが、当時の規定ではそもそも3Dエアそのものが禁止されており(足が頭より高くなる状態を取ることが禁止されていた)、当然彼のエアも特別に加点されることもなく確か4位に終わっていた。だが一番注目を浴びたのは彼であったし、その後の縦回転解禁もあのエアの影響を受けていることは間違いない。点数にはならなかったが、文句無しに素晴らしいエアであったのだ。

どうすればこのような問題がなくなるのか?
それはとても難題であり、恐らく答えは出ないであろうが、「美」を「技」に置き換え点数化するという手法は、結局選手に「規定の技の組み合わせ」を強いることになり、そうして出来たツギハギの演技は確かに高得点だろうが「美しい」といえるのか。
技術点に賭け世界2位まで詰めあがった伊藤みどりという選手がいた。彼女はアスリートとしてとても立派だが、もしかしたらフィギアスケートを壊してはいなかっただろうか。 王子に見初められたシンデレラは、服が綺麗だったから化粧が上手かったから美しかったのではないはずだ。


新体操にアンナ・ベッソノワという選手がいる。立っているだけでも美しい選手なのだが、恐らく幼少のころからバレエの練習を積んでいたのだろう、一度動き出すとその動作の一つ一つがため息が出るほど美しい。誰かと比べて美しいのではないのだ。
ただ、彼女は美しいのだ。

芸術に1番、2番はない。
圧倒的であるのか、そうでないのか。そこにあるのはそれだけはないだろうか。

2006/02/07

【Flick】ビューティフル・マインド


ビューティフル・マインド
(2001年、アメリカ)

監督:ロン・ハワード
出演:ラッセル・クロウ
    ジェニファー・コネリー
    エド・ハリス他








集団における個人の意志決定メカニズムを定式化した“ゲーム理論”を構築し、後の経済学理論に大きな影響を与えノーベル経済学賞を受賞した実在の天才数学者の数奇な人生を「グラディエーター」のラッセル・クロウ主演で映画化した人間ドラマ。共演はエド・ハリス、ジェニファー・コネリー。監督は「アポロ13」のロン・ハワード。第59回ゴールデン・グローブ賞では作品賞、主演男優賞はじめ4部門を獲得。 1947年9月、プリンストン大学院の数学科に入学を果たしたジョン・ナッシュ。彼の頭にあるのは「この世のすべてを支配する真理を見つけ出したい」という欲求のみ。ひとり研究に没頭するナッシュは次第にクラスメートからも好奇の目で見られるようになる。しかし、ナッシュはついに画期的な“ゲーム理論”を発見する。やがて希望するMITのウィーラー研究所に採用され、愛する人と結婚もしたナッシュ。しかし、米ソ冷戦下、彼の類い希な頭脳が暗号解読という極秘任務に利用され、彼の精神は次第に大きなプレッシャーに追いつめられていく……。(allcinemaより)








事前には、ラッセル・クロウ主演、ゲーム理論(ナッシュ均衡)を生み出した天才数学者の半生を描いた物語―。という予備知識しかなかったので基本的にサクセスストーリーだと思っていたら随分と毛色が違いました。
彼が天才数学者であることは単なる背景として扱われ、作中には「ゲーム理論」という言葉も、「ナッシュ均衡」という言葉も出てきません。そのせいもあり、またラッセル・クロウの野生的な風貌と過剰気味の演技も相まってナッシュが高度な頭脳の持ち主であることがイマイチ伝わって来ないので理論について、あるいは数学者としての能力についてもう少し説明的な場面があった方が良かったようには思います。DVDのオマケに付いている、ナッシュが囲碁を打つ学生に不動点定理を示唆して、さらに部屋を出るついでに黒板の問題を解くシークエンスなどは彼だけでなくソルの優秀さとナッシュへの信頼が同時に伝えられるので入れても良かったのではないかと思います。本編だけではナッシュとソルの信頼関係は読み取れないと思うのですが、それは僕の読解不足でしょうか?

キャスティングとしては、先述の理由でラッセル・クロウはイマイチだったように思う。好きな俳優だし、演技も悪くないと思うのだが、今回はミスキャストに思える。
対して、ジェニファー・コネリーは素晴らしい。もともと好きな女優(というかぶっちゃけ好み)であったのだが、この作品では「天才数学者ジョン・ナッシュの生きる意味」というとても大きな存在を正面から受け止め演じきっている。
作中の彼女は、「あぁ、こんな女性を笑わせることが出来たならどんなに幸せな気分になれるだろう」と思わせ、それだけは失いたくないと願わせる眼差しを持つ。それがあるからこの作品は成り立つといっても過言ではない。
美しいです。とても美しいです。ハイ、負けました。

総評 89点
   _
∩ ( ゚∀゚)彡 JENNIFER!JENNIFER!
    ⊂彡

2006/02/06

【Flick】17歳の処方箋


17歳の処方箋
(2002年、アメリカ)
監督: バー・スティアーズ
製作: リサ・トーネル
    マルコ・ウェバー
脚本: バー・スティアーズ
撮影: ウェディゴ・フォン・シュルツェンドーフ
音楽: ウヴェ・ファーレンクロッグ=ピーターソン
出演: キーラン・カルキン
    クレア・デインズ





エリートの家庭に育ちながらも、10代に特有の反抗心を抱え周囲の人や社会に対して怒りをぶつける一人の青年が、様々な経験を通して少しずつ成長していく姿を描いた青春ドラマ。主演は「イノセント・ボーイズ」のキーラン・カルキン。「10日間で男を上手にフル方法」の脚本で知られるバー・スティアーズの監督デビュー作。 17歳の少年イグビーは裕福な家庭に生まれ、何不自由ない恵まれた環境に暮らしているように見えたが、実際はあらゆる大人に対して反発を繰り返す毎日だった。母親は何かと干渉し、兄が絵に描いたような優等生なのも面白くない。父は彼が幼い頃に精神病を起こして以来ずっと入院していた。イグビーは何度目かの退学後、ついに士官学校に入れられてしまう。しかし結局そこも抜け出して、彼の名付け親D.Hがいるニューヨークへと向かう。イグビーはそこでスーキーとレイチェルという2人の美しい女性と出会うのだった。 (allcinemaより)






甘ったれのボンボンの言い訳を感動的に描こうとした失敗作。
リムジンの後部座席で何も無い人生を嘆く少年が厳しい母に、イカれて病院に入った父に、行動力溢れる成金に、その退廃した愛人に、瀟洒なパーティで出会った美女に、皆に甘やかされ結局何も理解しないという、意味不明な物語である。

主人公は「頭が良いが素行が悪く、生意気だがどこか憎めない半分子供で、自分でもそれが分かっているが認めない少年」という設定だと思うが、主人公役のカルキン君は全くこれを演じ切れていない。
育ちのいい根っからのボンボンが悪ぶっているのを、育ちのいい根っからのボンボンが演じているのが透けて見える。一口で言えば、いい加減な仕事をしている、という印象が拭えない。
この物語が成立するには「主人公が馬鹿ではない」という前提が必要となる。馬鹿ではないというのは、ぼんやりとでも何か理解していていて、それに気付いて理解しようとしている、という意味だが、この映画の中の少年はそれに気が付いていない。そして最後まで気が付かない。物語の全ての伏線は意味を持たなくなってしまっているのだ。
この映画は残念ながら物語になっていないのだ。

主人公の兄や、成金(主人公と絡む設定もあるのだが裏打ちも無く無価値)の愛人など、いいキャスティングも見られるだけに、駄作というよりは失敗作でしょう。
個人的には、ただイライラするだけの作品でした。


総評  17点  ┐(´ー`)┌ 和訳タイトルも意味ワカンネ

【Flick】レザボア・ドッグス


レザボア・ドッグス
(1991年、アメリカ)
監督:クエンティン・タランティーノ
製作:ローレンス・ベンダー
出演:ハーヴェイ・カイテル
    ティム・ロス 
    マイケル・マドセン





宝石店襲撃に失敗した強盗たちの確執をタイトに描いた傑作バイオレンス・アクション。描きこまれたキャラクター、縦横無尽に時間軸を越えた構成、緩急自在の演出とどれもが素晴らしく、脚本・監督(おまけに出演も)の異才タランティーノの名を一躍世に知らしめた。トップ・シーンからエンディングまで、トップノッチで突っ走る。 (allcinemaより)






タランティーノの出世作。長編デビュー作でもあるらしい。
何本かタランティーノ作品を観た後で鑑賞したので当然だが、始まりから終わりまで実に「タランティーノらしい」作品である。彼の映画観というものが随所に溢れ伝わってくる。
ご都合主義的な印象も受けるストーリーも、テンポ・構成・演出の良さで包み込み作品としての完成度は高い。交錯する時間軸、キャラが立った登場人物、人情とバイオレンス。後に鬼才と呼ばれるタランティーノの才能を充分に堪能出来る秀作に仕上がっている。
ある意味ではタランティーノを縛る作品なのかもしれないが、実に映画らしい映画なので暴力シーンを嫌悪しない映画好きの方ならきっと楽しめるのではないだろうか。

総評 78点 (`д´メ)ザ・映画

2006/02/03

【Flick】ディープ・ブルー


ディープ・ブルー
(2003年、イギリス/ドイツ)
監督: アラステア・フォザーギル
    アンディ・バイヤット
製作総指揮: アンドレ・シコエフ
         ニコラウス・ヴァイル
         ステファン・ベイトン




自然・動物ドキュメンタリー製作において、長年に渡り世界的に高い評価を受けるイギリスBBCが、かつてないスケールのプロジェクトとして取り組んだ驚異の海洋ドキュメンタリー。撮影に4年半もの歳月を費やし、200ヶ所ものロケ地をめぐって撮り上げた合計7000時間に及ぶフィルムを基に、深海5000メートの未知の世界から、お馴染みの生き物たちの知られざる生態まで、“海の神秘と美しさ”を余すところなくカメラに収めた感動作。日本でも2002年にNHKで全8回のミニ・シリーズとして放映され大反響を呼んだドキュメンタリー番組「海・青き大自然」で使われた素材から、スペクタクルなシーンを中心に厳選、劇場版として再構成。(allcinemaより)




前提として、これは「映画」ではない。
もし映画として観るなら30点くらいの出来の完全な未完成品だが、ドキュメンタリー映像集としては非常に秀逸。とにかく本当によくもまぁこんな映像が撮れたものだ、という素人でもその貴重さが容易に想像できる映像のオンパレードである。

捕らえたアシカを空高く跳ね上げるシャチ、竜巻の様に大渦を巻く魚群、それを狙って海面に突き刺さる海鳥、大口を開けて食らいつくクジラ、海中から氷の大地に跳ね上がる皇帝ペンギン、隣人を狙う珊瑚、薄暗く光る深海生物、有毒物質を湧出する海底火山に住む不思議な生物達、息継ぎに来たイルカを狙うホッキョクグマ。圧倒的な迫力で自然の大きなうねりを映し出す。喜怒哀楽に満ちた人間の一生だが、それもほんの瞬きに過ぎないのだと改めて実感する。

この壮大な映像に音楽と効果音を被せ、ナレーションを挟みながら見せて行くというだけの構成だが、これがいただけない。音楽は大仰だし、効果音もいかにも人工的で興ざめだ。
ナレーションも所々に思想めいたものが感じられ、押し付けがましく感じるときもある。特にラスト付近の「シロナガスクジラはかつて30万頭いたが現在ではその1%。人間が海を壊している。」とのくだりは、そういうことはグリーピースにでも任せとけ!と言いたくなる。
テーマ、構成、演出などはテンでダメなので、先に述べたとおり美しき自然映像集として観るのがいいだろう。評価もそれでしたいと思う。

一つ一つのシークエンスはどこを取っても美しく神秘的なので、プロジェクターがある人は音を消して流しているだけもいいかもしれません。出来るだけ大画面で観ることをオススメします。


おまけにプロジェクター(エプソン TW600)の話。「オープン・ウォーター」のエントリに、画面いっぱいに海面が映し出されるとシャギーが目立つと書いたと思うけど、今回はそんなことはありませんでした。このプロジェクターは本当にソース次第なんですね。単純に画面が大きいので粗が目立つのかもしれませんが、DVD借りるのが怖くなっちゃったな。みんなこうしてハイビジョンに流れていくのだろうか・・。金がねぇー!


総評 87点 (^O^)ノ これはドキュメンタリー映像集です

2006/02/02

【Flick】オープン・ウォーター


オープン・ウォーター
2003年【米】

出演: ブランチャード・ライアン, ダニエル・トラヴィス, その他
監督: クリス・ケンティス




ワーカホリックの夫婦、スーザン(ライアン)とダニエル(トラヴィス)は、ようやく取れたバカンスで、カリブ海に向かう。ふたりはせっかくの休暇なのに、仕事を完全に忘れることが出来ない。愛が冷めた訳ではないのだが、現実に追われるうちに、自然と距離が出来てしまい、それを埋めるきっかけを失っていた。翌朝早く、ツアー客で満員のダイビングボートに乗り込んだふたり。水深18メートル、約35分のダイビングへと意気揚々と海に飛び込んでいく。精神的に開放されたスーザンとダニエルは、この貴重なひとときを満喫する。しかし、海上のボートでは、今、まさに彼らが体験する最も怖い悲劇の序章が始まっていた・・・。ふたりが満足して海面に上がってきた時、スタッフの単純なミスで全員が乗ったと思い込んだボートは、すでに彼らを残して岸に向かって去っていた・・・。足は届かない。360度、岸は見えない。叫びは誰にも届かない。助けは来ない。タンクの空気は残りわずか・・・。彼らが自分たちの置かれた事態をようやく呑み込んだその時、無数の鮫が現れた・・・。さぁ、どうやって生き残る?
(amazonより引用)




プロジェクタを購入し最初に観た作品。近所のレンタルビデオに入会し、初上映にどのような作品がふさわしい作品を考えた結果以下の条件を設定した。1.映像出力のチェックが出来るよう新しい作品2.音響も確認したいので爆音や自然音が含まれる作品3.映像は残像や色出しが難しそうな海や雪山のシーンがあるものがいいこれに当てはまったのがオープン・ウォーターだったというわけだ。ブレア・ウィッチ・プロジェクトの流れに続く低予算映画ということでもしかしたら音響等はヘコイかもしれないが、サウンド・オブ・ミュージックを借りるよりはましだろう。

プロジェクターデビューということでかなりワクワクしながら観たのだが、結果は不満感の残るものになってしまった。まず、スクリーン全体に海が映るシーンや動きの激しいシーンでは残像やシャギーが目に付いた。また、全体にピントが甘く、人物の顔を少し引いた画面で映すときに目がぼやけて見え、これは大変居心地の悪いものであった。以上が映像機器に起因する不満。(後に思うのだが、もしかしたらこれらソースのピントの問題はソースそのものの問題かもしれない)


映画としては35点、ってとこかな。評価低いです。決定的なのが「演技力」。大海に取り残された2人という設定のため、作中の大半は二人しか映らないということになるのだが、はっきり言って二人とも大根です。冷静になったり、愛を訴えたり、暴力的になったり、パニックになりかけたりと「孤島もの」に付き物の揺れる心の描写にまるでリアリティを感じない。なんというか、「そろそろキレるころだろうから、キレてみました」みたいな感じがアリアリでしらける。これは二人の大根に加え脚本の問題もあるのだろう。多分これは小説で読んでもつまらない。前半のバカンス感のハンパぶりといい、捜索隊が出るまでの冗長な陸の動きといい、この作品はテンポが悪すぎる。ちゃちな素材を無理やり仕上げた、低予算らしい低予算映画になってしまっている。
残念!

総評 35点 (/д\)

【Flick】ステルス


ステルス
(2005年、アメリカ)
出演: ジョシュ・ルーカス、ジェシカ・ビール、ジェイミー・フォックス、他
監督: ロブ・コーエン




無人ステルス戦闘機の暴走を食い止めるため3人の精鋭パイロットが立ち向かうサスペンス・アクション。監督は「ワイルド・スピード」のロブ・コーエン。出演は「メラニーは行く!」のジョシュ・ルーカス、「テキサス・チェーンソー」のジェシカ・ビール、「Ray/レイ」のジェイミー・フォックス。 近未来のアメリカ。海軍では極秘にテロ対策プロジェクトが進められ、ベン、カーラ、ヘンリーの3人のパイロットが選抜された。彼らは最新のステルス戦闘機に乗って厳しい演習に取り組み、やがて空母へ乗艦することに。すると、3人には突然新しい仲間が加わることが告げられる。その4人目のパイロットとして姿を現わしたのは、"エディ(E.D.I.)"と呼ばれる最新鋭の人工知能を搭載した無人ステルス機だった。戸惑う3人を尻目に驚異的な能力を見せつけるエディ。だがある時、エディは突如暴走し始める…。
(allcinemaより)




友達がアホくさい映画を観た、と言うのであらすじを聞いたところ、確かにアホくさいが映像は凄そうだし、ドッグファイト好きな俺としては大画面で観てみたかったので借りてきた。

いやー、なかなかどうして良かったよ!空を翔る迫力満点!
ステルスというのでF-117を想像し、爆撃機だしそこそこのスピード感があれば、と思っていたが、なんと近未来モノでした。さすがハリウッド、現実な地味なら躊躇無く未来へ行きます(^^
近未来のステルスは速い速い!マッハ4とか出ちゃいますw
飛びながら変形とかしちゃうし、ちょ、おま、そんなことしたらステルス機能台無しじゃ!とか思いますが、そんな細かいことも気にせず映画は進みます。
CISを軽く爆撃した後、アジアにバカンスに行き現地女をつまみ食いし、ロシアの戦闘機を撃墜した後に、アラスカの基地をぶっ壊し、最後は北朝鮮の軍事施設を女一人のためにボッコボコにして、ピンチになったら最新の人工知能を持ったステルスが心を取り戻し敵のヘリにタックルしてお陀仏、という、これぞハリウッドという作品でした。
「これから忙しくなるからその前に休暇でタイに行け!」という命令が出たときは、なぜ場所を指定する!?罠か!?と思ったが何もなし。どうやら視聴者に「ここはタイですよ」と説明したかっただけらしい。優しいぜハリウッド!

結局ステルスは全部壊れちゃうわけだけど、他にもいっぱい壊れるのでスカッとしたいとき、疲れたときにはいい作品ですね。


総評 64点 ハリウッドヾ(`д´)ノ゛バンザーイ

【Flick】ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア


ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
(1997年、ドイツ)
出演: ティル・シュバイガー, ヤン・ヨーゼフ・リーファース, その他
監督: トーマス・ヤーン






本国ドイツで大ヒットとなったアクション・ロード・ムービー。余命わずかと宣告され、たまたま末期病棟の同室に入院させられたマーチンとルディ。二人は死ぬ前に海を見るために病棟を抜け出し、ベンツを盗んで最後の冒険へと出発した。その車がギャングのもので、中に大金が積まれていたことも知らずに……。道中、残り少ない命の彼らに怖いものなどなく、犯罪を繰り返し、ギャングのみならず、警察からも追われる身になるのだが……。
(allcinemaより)






数年前に購入した手持ちのDVDで見たのだが、映像が汚い。100インチでは耐えられなかったので60インチくらいにして観たが、それでもエッジのボケが酷く何度も何度も気になった。それ以上は小さく出来ないので諦めたがちょっとなぁ・・・。DVD売り飛ばしたくなりました。絶版だから売らんけど。売りだすんならもうちょっと頑張ってくれよな。


さて、作品自体は何回か見ているし、好きな作品です。男の友情モノってのがそもそも好きだし、それも変にヘヴィなのじゃなくて、お互いが軽やかで大事にしているのがいい。男なら大事なことはベラベラ喋るんじゃネェ!ってやつですな。(・∀・)
ネタバレになるから詳しくは書かんけど、最後に助けないとこがタマランです。美しいです。ハイ。

音楽も設定も単純でストレート、男の馬鹿なところが良く出ていて思わずニヤニヤしてしまう作品です。
テキーラと塩とレモンを買ってきて観ましょう。スモーカーは葉巻も忘れずにね。


総評 92点 オト━━━(゜Д゜)━━━コ━━!

【Flick】ハウルの動く城


ハウルの動く城 
(2004年、日本)
監督: 宮崎駿
声の出演: 倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏
原作: ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 『魔法使いハウルと火の悪魔』(徳間書店刊)




 「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の宮崎駿監督が、イギリスの児童文学作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『魔法使いハウルと火の悪魔』を映画化したファンタジー・アドベンチャー・ラブストーリー。戦乱の時代を背景に、魔女によって老婆の姿に変えられてしまった少女と弱虫の魔法使いの青年が、4本足で歩く巨大な城で奇妙な共同生活を送りながら次第に心を通わせていくさまをユーモアと躍動感いっぱいに描く。 魔法と科学が混在する世界のとある国。愛国主義が全盛を誇り、いよいよ戦争が目前に迫っていた。父の遺した帽子店を切り盛りする18歳の少女ソフィーは、ある日町で美貌の青年と出会う。彼こそは人々が怖れる悪名高い魔法使いのハウルだったのだが、ソフィーは彼の優しさに心奪われる。だがその夜、彼女は荒地の魔女に呪いをかけられ90歳の老婆にされてしまうのだった。本当のことが言えずに家を出たソフィーは、人里離れた荒地をさまよい、やがてハウルが暮らす動く大きな城に潜り込み、住み込みの家政婦として働き始めるのだった…。
(allcinema onlineより)




まず、原作があることは知らなかった。もしかしてナウシカとかラピュタとかにも原作ってあったのかな?宮崎アニメは全てオリジナルだと思ってたのでびっくり。
まぁ、それを差し引いても(別に差し引く必要も無いが)面白かったです。
登場人物の底からの暖かさや、ジブリ作品に通底する文明感などを感じたのだがあれも原作通りなのだろうか?ソフィーの年寄りになった感想なんて、まさに宮崎アニメの世界観を感じたんだけどなあ。

世界大戦や悪魔との契約など、全体を貫き通す負の世界あるわりにはコミカルなものはコミカルに描き分けられていて、それを素直に表現できる(受け止められる)のがアニメという手法の利点なのかな、と思いました。音楽は言うに及ばず、風の音、足音一つ取っても手作りになるところもいいのかもしれません。
とても居心地の良い世界でした。

(蛇足)
プロジェクター(TW600)のピントが甘いと思っていたけど、この作品や同時に借りたステルスなんかでは甘さは感じなかったので、結局はソースによるようです。パンフレットに「本当の色で見てほしい」なんてキャッチコピーが書いてあったけど、下手な加工をしないで忠実に再現しているってことなんだろうな。

満足満足。


総評 88点 (・∀・)イイヨイイヨー 

【Flick】17歳のカルテ


17歳のカルテ
(1999年、アメリカ)
出演: ウィノナ・ライダー, アンジェリーナ・ジョリー, その他
監督: ジェームズ・マンゴールド




夢と現実が混乱したことはある? お金があるのに万引きしたり、落ち込んだり……。私が異常だったのか、時代のせいなのか。ありがちなただの"つまずき"だったのか。ただ、とても寂しかった……。時は1967年。17歳のスザンナ・ケイセンは、ごく普通のアメリカのティーンエイジャーだった。混乱し、不安に苛まれ、自分の周囲でめまぐるしく変わる世界に意味を見出そうと必死になっていた。彼女はアスピリンを大量に飲んで自殺を図り、軽い気持ちで精神科に入院する。そこで診断された病名は"ボーダーライン・ディスオーダー(境界性人格障害)※"。切れてしまいそうな神経を抱え、とまどい、揺れ動くスザンナ。けれど、この病院で出会った風変わりな女性たちは、彼女の親友になるだけでなく、見失っていた自分自身を取り戻す道を明るく照らし出してくれた――。※【ボーダーライン・ディスオーダー】自己のイメージや長期的な目標、どんな友人や恋人を持つべきか、どんな価値観をとるべきかに自信が持てない症状をいう。(sony picturesのHPより)




これも手持ちのDVDでの鑑賞。セント・オブ・ウーマンを買いに行ったら、2枚で2500円セール!をやっていたのでついでに買ってきた。未開封のまま転がしていたが、大画面で観直してみることにした。

なんといってもアンジェリーナ・ジョリーが素晴らしい。ウィノナ・ライダーもいいし、好きな女優だが完全に食っている。
主人公以上に派手な役回りであることももちろんだが、全身から溢れるエネルギーは彼女本来のものなのではないだろうか。正に"ハマッた"感じがする。「彼女は本当にそういう人なのでは?」と思わず疑ってしまうほどだ。こんなはギルバート・グレイプのディカプリオ以来です。


物語はシンプルだが、深いテーマを底流に持つので自分の考えや立場を再確認させられる良作に仕上がっていると思う。純粋さの意義って何だろうね?原作:思春期病棟の少女たちも読んだけど、最初に映画を観たからかイマイチ入り込めなかったです。

また、この映画は人物のアップが多く、100インチ大画面の迫力がたっぷり味わえました。今のプロジェクター(EPSON TW600)を選んだ理由の一つに発色の良さ、特に肌色の柔らかさが良かったことがあるんだけど、この映画を観て自分の選択が正しかったことを確信しました。やはり人の顔ってのは魅力ですな。正直な話、ピントの甘さやシャギーが気になって、「LP-Z4にすればよかったかなー」などと思ったこともありましたが、今なら「やはりTW600が俺のベストチョイスだった」と自信を持っていえます。
まぁ、映画鑑賞という全体から見ればおまけみたいな要素ですが、そういう意味でもよかったです。


総評 88点 (´ー`)y-┛~~ヨカヨカ

【Flick】セント・オブ・ウーマン ~夢の香り~


セント・オブ・ウーマン/夢の香り 
(1992年、アメリカ)
出演: アル・パチーノ, クリス・オドネル, その他
監督: マーティン・ブレスト




落ちぶれた盲目の元軍人と、 家族の旅行中に彼の世話を頼まれた名門校の生徒との心の交流を描くヒューマンドラマ。








これは手持ちのDVDで観ました。大好きな映画です。

まずはアルパチーノの演技が素晴らしい。某掲示板で、盲人学校で働く人が「こんなにリアルな盲人の演技は見たことがない」と驚いていたという書き込みを見たことがありますが、僕には時々「それは盲人としては不自然なのではないか?」と思わせるシーンもあったのですが、盲人は時として目が見えているとしか思えない所作をさるものらしいですね。いずれにせよ、表情は動かしていなくても心が伝わる悪魔の様な完璧な演技です。

また、セリフが実に素晴らしい。小洒落たセリフは映画の大きなアクセントになりますが、この映画にはふんだんに盛り込まれています。盲人が人格を判断する基準となるのはその人の言葉と行動だけですよね。アルパチーノの完璧な演技がその事実を浮かび上がらせ、言葉が実に生き生きとしています。

映像的にも美しく、タンゴのシーンでは男と女の一つの理想形を見せつけられているような気にさえなります。フェラーリの運転シーンがいかにも古臭いのが残念ですが、ま、ご愛嬌ですね。

そして、何と言っても最後の演説。言葉の選び方、抑揚、迫力に満ちた声。息をするのも忘れそうなほどに引き込まれます。
見終わった後の充実感が抜群の映画です。オススメ!


総評 99点 (`Д´)ノ<フーアー!

【Flick】スモーク


スモーク
(1995年、アメリカ・日本)
出演: ハーヴェイ・カイテル, ウィリアム・ハート,その他
監督: ウェイン・ワン








ポール・オースターの原作「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」を基に『地上(ここ)より何処(どこ)かで』のウェイン・ワン監督が、ブルックリンの煙草屋に集まる人々の日常を、繊細な心理描写を交えながら描いている。
(amazonより)








3,4回観てます。とても好きな作品です。
何かがずば抜けてイイというわけじゃないし登場人物はクセのあるやつばかりで決してカッコいいやつばかりではありません。大体が馬鹿ばっかだし、何か汚いやつらばかりです。
でも、どいつもこいつも一生懸命生きています。
一人一人が過ちを悔やみながら、あるいは犯しながら、それでも前を向いて生きていきます。
この映画の中ではだれもかれもが生きています。

大げさな音楽や劇的な急展開といったものはありませんが、ゆったりとしたリズムがどこか非日常的なリズムをかもし出し、それこそゆらめく煙の様に、静かに感動が胸に染み込みます。
オムニバスっぽく一人一人にスポットを当てていく構成もこの作品にには非常にマッチしていているのでしょう。

クリスマス・ストーリーが全体を美しくまとめていますが、この映画を天気に例えるなら少年が父を見守る暑そうな一日になると思います。
夏の暑い一日に友達と黙って煙草をくゆらせたことがある人間なら「あのリズム」といえば理解できるでしょう。
この映画の肝はあのリズム、煙草で作り出す「間」にあるといえると思います。


ちなみにwowowで放映していたものをDVDに録って視聴。画像はイマイチでした。
続編「ブルー・イン・ザ・フェイス」は少し毛色が違う作品ですが、これも面白いのでスモークが気に入ったら是非観てみてください。損したとは思わないはずです。
さて一服すっか。


総評 93点 ( ゜Д゜)y-=3 プッハー!