むかし僕が死んだ家
東野 圭吾
簡単な漢字で構成された名前からか、多作家だからか、なんとなく軽い作家のイメージを持って読んでいなかった東野 圭吾。
”かまいたちの夜”で俺の微弱なミステリ魂が刺激されたので読んでみました。
結論から言うと、
スゲー面白い。
物語の舞台は山の中に立つ「灰色の家」。登場人物は「私」と私の昔の恋人の二人。
打ち捨てられた洋館の中で二人が探すものは「過去の記憶」。
ひんやりととした空気。二人の距離感。静けさ。既視感。
時の止まった洋館の中に包ませてくれる描写に加え、張り巡らされた伏線の数々。ミステリを読むこと自体が久しぶりだという個人的事情を差し引いても、これほど数多く精緻に張られた伏線には大きな驚きがある。
ぐいぐい引き込まれ、ページを捲ることが楽しくて同時に終わりが近付いていくことにも寂しさを覚えつつ、読むことが止められない。本当に久しぶりに夢中で読んだ。
読書から離れている人、元々読まない人にもオススメできる傑作です。
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