夜のとばりに、南無阿弥陀仏。
東京・中野に現役のお坊さんがシェーカーを振るう異色バーがある。
店の名前はそのままズバリ「坊主バー」。それではカッコつかないと思ったのか、一応「Vow's Bar」をいう字が当てられている。"Vow"という単語は”誓い”とか”誓約”という意味。宗教的理由などから独身生活を誓うことを”vow celibacy
”といい、その辺にも引っ掛けたのかもしれない。
そのVow's Bar中野店が3周年ということで、12/9に記念プレイベントが行われましたー。
VOW'S SEMINOR シリーズ
第1回 世の中、こんなんで ええんかい?!
「こんなん」というのはどんなんなんだろう?
繁華街で酒を売るブッディストに今の世の中はどう映っているだろう?
興味をそそられ参加してきました。
会場は東中野駅近く、東京工科専門学校内のテラハウス 地下ホール。
収容人数300人ほどと思われるホールで、当日の参加者は150人くらいかな。
会場や出演者の写真は撮ったんだけど、ネットへの公開は禁止ということで画像無しのレポになります。
イベントは3部構成。
1部は世の中の諸問題をピックアップし、その専門家たちに解説をお願いするというもの。
・憲法9条改正問題
・自殺問題
・ホームレス問題
・いじめ問題
がピックアップされました。
ホームレス問題を取り上げた団体は実際にホームレスの方を連れてきたり、活動に対する仏教界の協力の不充分さを訴えたりしていて中々面白かったですが、他の問題は通り一遍の解説で終わってちゃってたな。
2部は、各宗教界の関係者が一同に会し、1部で取り上げた問題を中心にディスカッションするというもの。
坊主マスターのマスターいわく『ミニ・宗教サミット』だ、ということで、飛び交う罵声、入り混じる各言語、演壇の中央で坊主が念仏を唱えればそれに向かって神主がお払いをして、それを見たキリシタンは十字を切りつつ哀れな子羊のために祈り、イスラムの方は時間が来たのでメッカに向けて伏せ祈る。触発された観衆は立ち上がり発言のためのマイクを奪いあうといった熱くシュールな大激論を期待していましたが、実際には一部の問題にありきたりな問題提起をしただけで終わりました。 なんかしょんぼりです。
原因の一つは準備不足でしょう。
当日は各宗教宗派が集うとのことだったのですが、当日になってイスラム教代表が欠席、キリスト教の代表の方が交代、偶然会場に来ていたタイ仏教の方が引っ張り出せれたりドタバタあり、これで満足な論議を要求するほうが酷というものです。
最終的に、キリスト教、古神道、タイ仏教(テーラヴァーダ仏教)、日本の仏教(浄土真宗、禅宗、時宗、曹洞宗、日本山妙法寺)の方々がパネラーとなりましたが、多数派の仏教徒からは積極的な発言もなく、急遽駆り出されたキリスト教、タイ仏教の2者にも劣る存在感でした。「我々は人を救いません」と早々に宣言した神主などもいて、一体何をしたくて参加してきたのかと思います。
他にテーマの散逸も原因に挙げられると思います。
一部でピックアップした問題を端緒に通底する構造をあぶり出し、問題提起と解決法について各界の見解を示していく、というのが理想なのではないかと思いますが、実際には各パネラーに諸問題に対する印象を尋ねただけで掘り下げることも無く終わってしまい、これで議論が盛り上がるわけもありません。パネラーや聴衆の力量も不足していたのかもしれませんが、運営の技量も問題でしょう。ぶっちゃけこれで金を取ろうとは世の中舐めてます。
3部は、歌や詩の朗読という見世物系。
Kobaryuという平井堅の替え歌を歌う歌手が出てきて、彼はクオリティ高すw 面白かったです。
イベント後には希望者による忘年会が催されましたが、用事があったため失礼しました。
来年4月に本イベントがあるらしいですが、次もサミット的なことをするならば是非具体論を提示して欲しいと思います。それが無い限り対立軸もボケたままで、今回のような腰の引けた「宗教懇親会」に終わるのではないでしょうか。
宗教色のあるイベントに参加したのは初めてなので非常に期待していたのですが、終わってみて「宗教家は世の中の事なんか考えてないんじゃないか?」という疑問を抱いてしまいました。
”草の根宗教サミット”という着想はすごく魅力的なので、なんとか実のあるものになっていって欲しいと思います。
今後に期待、かな?
そういえば当日はフジテレビのスーパーニュースが取材に来ていたようです。
マスコミはあれをどのように報道する(した)のかちょっと興味がありますね。まぁまず観ないと思うけど。
チャオ!
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