愛用のプロックス あぐらイスが壊れ、ヘリノックスのグラウンドチェアとエーライトのメイフライチェアを購入したので新旧ローチェアの比較をしてみます。
なお、私は183cm80kg、格闘技経験ありのゴツめ体型で、飛行機もエコノミーシートだと大変窮屈、夜行バスとかとてもムリーな人間です。
お含みおきの上お読みくださいm(_ _)m
<スペック比較>
PROX あぐら椅子 | Alite メイフライチェア | Helinox グラウンドチェア | |
実売価格(2014年8月) | 1,300円くらい | 12,000円くらい | 11,880円 |
収納サイズ(幅*奥行*高さ) | 50 * 15 * 15くらい(目測) | 52 * 10 * 10 | 31 * 15 * 15 |
展開サイズ(幅*奥行*高さ) | 45 * 45 * 49 | 51.6 * 52.1 *38.1 | 55 * 50 * 43 |
座面高 | 18cm | 5.3cm | 15cm* |
重量 | 1700g | 635g | 560g |
耐荷重 | 75kgs | 113kgs | 100kgs以上* |
組み立て時間 | 5秒* | 2分34秒 | 1分57秒 |
収納時間 | 5秒* | 2分47秒 | 2分2秒 |
アスタリスク(*)付データは推定値、その他はカタログやwebからのデータもしくは実測値 |
<収納時画像比較>
あぐらイスは既に現物が壊れてしまっっているので空き袋に詰め物をしていますが、メイフライチェアとグラウンドチェアは実物が入っています。
アウトドア用品は初期パッキングが異常にコンパクトで一度開梱したら二度と元通りにできないケースがあるので、実際的なサイズ感を知るために一度開梱・組立してから再収納しています。
あぐらイスがだいぶ大きく見えます。
実際大きいのですが収納袋はかなり余裕がある作りなので、実感としては画像の印象よりひと回り小さく感じるくらいです。
メイフライチェアとグラウンドチェアは、カタログ数値上ではメイフライチェアの方が小さいですが、これは収納袋の違いによるところも大きいと思います。
メイフライチェアの袋はぴったりサイズですが、グラウンドチェアの収納袋は余裕があります。必然、私の様なガサツな人間が扱うとパッキングが大きくなるということです。
まぁ、実用上はほぼ同じサイズと考えておけばいいと思います。
余談ですが、個人的には収納袋はちょっと余裕があった方がよいと思っています。
大きな袋でもコンパクトに縛ることはできても逆は不可能ですし、合理的なパッキングを考える上でも、ちょっとした周辺小物を一緒に収納できるくらいの余裕があった方が何かと便利だと思います。
なかなか袋に入らないと知能テストを受けている猿の気分になりますし(笑
なお、スペック表の組み立て・収納時間は出来るだけ真に迫るためわざと酔っ払ってゆっくりと動いて計測したものなので、チャキチャキやれば30秒は短縮できると思います。
<座面高比較と着座時画像比較>
まずはメイフライチェアから。
お次はグラウンドチェア。
比較のために秋味(*個人的缶ビールランキング世界一)350mlをおきました。
周囲が汚いこと、余計なものが写り込みすぎていることなどは全力で無視してください。
注目点は座面の広さと高さ、それと背中からお尻にかけてのシェイプです。
まず座面は、メイフライチェアの方が低く広いことが分かると思います。
背中からお尻にかけてのシェイプは、メイフライチェアの方がしなやかで、グラウンドチェアはややや直線的になっているのが分かると思います。
メイフライチェアの方が若干ですが柔らかく包み込むような座り心地です。画像でも分かると思いますが、座れば体のラインに沿って沈み込む感じです。
一方、グラウンドチェアは生地が硬く、しっかりと形をキープしており、体に沿う感じはありません。
画像ではグラウンドチェアの方が背もたれが傾いているように見えますが、着座感としてはリクライニングしているというよりお尻が浮いているような感覚です。
これは太もも周りがキツ目なことも影響しているかもしれません。
この差は構造的な要因というよりは生地とパイプの材質による差異な気がします。
グラウンドチェアのパイプは骨太で見るからに剛性が高いです。
また塗装されていることもあり存在感が全然違います。デザイン的にどちらが良いかは好みですね。
さて、まとめ。
ALITE メイフライチェア
こちらの特長はなんといっても座り心地。
超ロースタイルのすっぽりと包み込まれるような感覚はハンモックさながらです。
足を投げたして背もたれにぐいーと体重を預けてひと息つけば、なんとも言えないリラックス感が全身を包みます。
海や山や焚き火を眺めながらまったりするには最高のイスでしょう。
この心地よさを生んでいるのは座面の広さと低さと柔らかさだと思いますが、これは同時に生地が伸びたり支柱がたわんだりすることによりお尻が接地してしまうリスクも孕んでいます。
実際に砂地のサイトでは足が沈みぺったり着くし、土・草のサイトでは作業時に前屈みになったときなどに接地します。が、それが気になることはありませんでした。
よほど地面が濡れているなどではない限り、快適さは損なわれないと思います。
むしろ、この極低い座面が足を投げ出したときに地面をオットマン代わりにするのに最適な高さなのではないかと気付かされました。
ほかにデメリットとしては立ち上がるのが面倒なことが挙げられます。
超ロースタイルのイスに包まれて足を投げ出しているのだから当然なのですが、キャンプ中は何かと立ち上がる機会が多いため、よっこらしょの発言数はおよそ通常時のおよそ8倍(当社比)になります。
もちろん同じロースタイルであるあぐらイスやグラウンドチェアでも同じ問題は発生するのですが、特に座面が低く柔らかく沈み込むこのイスの立ち上がりにくさは頭ひとつ抜け出ています。
しかし!それらデメリットを差し引いてもこの椅子に座りたい!座って焚き火を眺めたい!と思わせる圧倒的快適性がこのイスにはあります。
それはもはや快楽と言ってよいレベルです。
座って感動したのこのイスが初めてです。
快適性においては唯一無二の存在といっても過言ではないでしょう。
メインチェアとして長いお付き合いになると思います(^^)
HELINOX グラウンドチェア
最後は今年発売のヘリノックスの新作。
メイフライチェアに超コンパクト超ローチェアのジャンルで先行された小川キャンパルが満を持してぶつけてきた形と思いますが、方向性は全く違いますね。
一言でいうなら柔のメイフライ、剛のグラウンドといった感じです。
グラウンドチェアのパイプは太く頑丈そうで、座面は高く、硬く、狭く、あまり伸縮しません。
メイフライの座り心地を「ハンモックさながら」だと表現しましたが、こちらはしっかり「椅子」です。
ちょっとやそっとじゃ壊れそうにない安心の剛性感はさすが小川といったところでしょうか。
ただ、それと引き換えに座り心地はスポイルされている、といいうかあまり考慮されていないのではないかと感じました。
前部が少し上がっている感じで太もも周りが窮屈に感じたし、背もたれ幅もギリギリで背中にパイプが接触してしまうので、寄りかかると気になりました。
単純な座り心地としては、メイフライチェアは言うに及ばず、あぐらイスにも劣る、というのが正直な感想です。
とはいえ、やや高く硬い座面は立ち座りしやすく、何かと作業の多いキャンプのイスとして考えれば実用性に優れるといえるでしょう。
キャンプでの立ち振る舞い全般をトータルで考えた場合に、特に落ち着いて座る時間の少ないソロキャンプなどではこちらの方が快適な場合もあるかと思います。
頻繁な作業にも悪天候の地面にも問題なく対応できる圧倒的安心感がこの商品のウリでしょう。(ややこじつけ)
また、最軽量かつ高剛性なので、登山などの比較的ハードなアウトドアシーンにはぴったりかもしれません。
自分は好みじゃなかったですが、硬い座面が好きな人もいるでしょう。
デザイン的にも他のヘリノックスシリーズとの相性も抜群だし、揃えたらカッコいいかもしれません。
汎用性高いし長持ちしそうなのでプレゼント用途にもいいかもしれませんね。
PROX あぐらイス
やっぱり費用対効果は抜群です!
メイフライチェア/グラウンドチェアと1万くらい違いますもんね。100脚買えば100万ですよ。(買わない)
収納サイズも同価格帯のイスと比べればコンパクトな方だし、座面も広くて座り心地も快適。
今回の3脚を座り心地だけで比較すれば、
メイフライチェア >>> あぐらイス > グラウンドチェア
の順になります。
組み立て・収納は3脚の中で一番簡単だし、サイズ・重量、耐荷重(75kgまで)が許容できるなら買わない理由はないと言えるほどの圧倒的コストパフォーマンスといえるでしょう。
なお、耐荷重75kgは割りと正確な値の様で、80kgのワタクシは2脚破壊して今回の買い替えへと至っていることを付言しておきます(笑
ベストセラーも納得です!
お子様のいる家庭などはコレで十分。人数分買っとけ!
くまモンバージョンも発売中!
<雑感>
今回イスを考察したことが、図らずも自分のキャンプを再考する良い契機となりました。
イスという道具は座るためにあるわけですが、キャンプで座るシーンは数多くあります。
コーヒーを持って夜明け。
焼けたソーセージと目玉焼きの朝食。
青空とビール。
星空に焚き火。
自分がキャンプで一番楽しみにしていること、振り返って楽しかったことはなんだろうか、そしてその場面で座りたいイスはどれだろうかと考えたとき、自分の場合、これはもう断然メイフライチェアだったんですよね。
モノの良し悪しなどしょせんは目的次第なわけで、良し悪しを考えるということは目的を考えるということで。
たかがイス。されどイス。
イスを通して自分を見つめる。色即是空。
秋のキャンプシーズン真っ盛り。
ゆったりとイスに座って、焚き火を囲んで語らいたいなぁ。
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