2005/09/09

~富士登山’05 其の九~

・六合目~頂上

08:14  7合目
やはり空気が薄いのだろうか。しんどい。
昨日の夜TVでやっていたユダヤ人収容所の特番をつい見入ってしまって、寝不足を招いたのが効いてきたのかもしれない。一歩一歩が重い。
しゃあない。ここらで一発長い休みを取ることにした。ただ座ってるのもなんなので、うどんを食べることにした。700円也。
小屋に入ってリュックを下ろしうどん代を支払って財布をしまっていたら金を受け取った兄ちゃんが早く出て行け、という。中で休むのは有料だから、飯は外で食ってもらうことになっている、とのこと。
外で食うのは別に構わなかったけど、財布をしまう間も急かすのはあんまりじゃないだろうか?わざわざこんなことで揉めたくないのでさっさと出て行こうとリュックを手に取ると奥から出てきたブタみたいな女が「何?この人?」と弛んだあごで俺を指す。兄ちゃん一言、「うどん。」。俺はうどんじゃねぇ!
まったく腹立たしいスタッフどもだが、富士山の山小屋の対応の悪さはるるぶにも書いてあった。
あぁ、星観荘の女性が懐かしい・・!

それでもまぁ、程よく寒い中空きっ腹に澄まし汁のうどんはおいしく、汁までさっぱり飲み干してしまったのであった。うどん待ち時間に隣に座った姉ちゃんグループの写真など撮ってやりながら機嫌も直し、さらに高みを目指して旅立ったのであった。ちなみにここでは焼印は押さなかった。


09:37 8合目
富士登山道の表示は一般人には分かりにくく、いままでも4合目が無かったりしていたが、逆に7合目と8合目はいっぱいあった。というか山小屋ごとに「俺のとこが7合目(8合目)だ!」と主張しているようだ。ただ、7合目・8合目とも最後の小屋は「7合目(8合目)」と銘打ってあり、一応他の山小屋もそれは認めているようだ。やはりここでは「高いほどえらい」が共通認識らしい。
道は7合目から岩場になっていたが、8合目を超えるとつづら折の溶岩道になる。
6合目まで苦労したのと同じ細かい溶岩で、こちらは傾斜がゆるいのでずり落ちる心配はないが、疲労か高度によるものか足取りが重い。歩幅が30cmほどになりペースも著しくダウンする。

10:56 3400m地点
ここが9合目なのかな?それにしては低いか?表示も無いしよく分からない。
うどんのカロリーを使い果たしてしまったので最後のウィダーインゼリーを飲む。
雲海が綺麗だ。
一面に広がる純白の海。
その密度の濃い絨毯をみると無理とは分かっていても、その上を歩きたい衝動に駆られる。
今回の富士登山で「来て良かった」と思わせてくれたのは、この雲海の美しさだった。

目の辺りにした富士の神々しさも俺の体力を回復するわけではなく、この頃は本当ただただ足を前に出すだけになっていた、そこで俺は一つの発見をしたというか思い出した。
ランナーズハイを俺はまだ迎えていない。
ちょこちょこ休むからいつまでたっても苦しいのであって、根性入れて歩き続ければまだ突き抜けるんじゃまいか?結論から言えばその通りだった。少しづつでも止まることさえなく動き続けていたら突き抜けた。もう走れそうなくらい元気が出てきた。試しにちょっと走ってみたらここは酸素が薄いんだと実感させられた。正直20mくらいで死ぬかと思いましたよ、ええ。無理は禁物です。


12:20 登頂!
やっと着きました!
最後のほうでランナーズハイを迎えられたので気分的には割りと楽だった。だからあんまり感慨も無かった。山頂に着いたらカレーを食うつもりでいたのだが、時間が無いからパスすることにする。
山頂の神社の宮司?の方に最後の焼印を押してもらう。頂上の焼印は今までと違って赤い。なんでも溶岩をすり潰して使っているそうで、途中の赤い道と同じ色でしょ?とのこと。そう言われればそうかな?値段は300円。今まで全て200円だったのにやっぱり頂上は違いますね。と言ったら笑っていた。日本人特有の笑いだ。やはり富士の力がそうさせるのだろうか。
ついでに土産物屋で日章旗を購入し、杖にくくりつける。その足で最高峰「剣が峰」に向かったが、吉田口山頂からはお鉢巡りの真裏にあたり、通常30分ほどかかるという。リサーチが甘かった。orz
一応向かってみたが、麓の「馬の背」まで行ったとところでタイムアウト。バスに遅れるわけにも行かないので引き返し下山することにする。

下山前にトイレに行こうと思ったが、激込みなので止めた。折角小銭用意したのに結局1回もトイレ行かなかったな。まあいい。

13:30 下山
さらばだ富士山!ちゃんと踏んづけてやったぜ!!


0 件のコメント: