2005/09/09

~富士登山’05 其の七~

・浅間神社~中の茶屋

03:05 2回目のアラームで目覚めた。
顔を洗い、熱いお茶をいれ 、おにぎりを食べて出発。03:15。外はまだ真っ暗だ。

とりあえず出発地点の浅間(せんげん)神社を目指す。昨日フロントで聞いた通り、真っ直ぐ行って信号を一回曲がるだけ。すぐ着いた。
神社にはすぐ着いたが、登山道がわからない。
暗い。ヘッドライトが無ければ看板も読めないところだった。ちゃんと電池を買っておいて良かった。
まぁ道が分からないことには変わりが無いが。もっとちゃんと道を聞いとけば良かった。

デカいリュックを背負って境内をうろつくこと30分。ついに分かった。
神社の中の道が登山道に繋がっているのかと思ってたが、違った。隣の道だった。orz

落ち込んでいる暇は無い。
気を取り直してずんずん進む。
るるぶによると中の茶屋までの所要時間は約80分。
急がないと夜が明けてしまう。



ずんずん進む。進む。進む。ずんずん進む。
「疲れた。」

携帯で時折メモを取りながら進んでいたのだが、最初に疲れた、の文字が出てきたのが03:59。
浅間神社を出て10分後のことだ。早い。早すぎる。


04:20 ヒマだ。
誰もいない。何も見えない。聞こえない。見上げると空は微かに紫がかっている。
一句。
富士は あけぼの (以下自粛

さらに進むこと数分。左手の木立の中から音がする。
パキ・・・パキ・・・バキバキッ!

「・・何かいる!」

間違いない。気のせいで済む音量では無かったし、風でゴミが舞ったというには大きすぎる。それに、風なんて吹いてない

歩を止めず、気を引き締めながら顔を巡らす。ぼんやりと白いものが見える。看板だ。

「クマ出没!注意!」

可愛らしいクマが少年少女を襲っているイラストが描かれている。

しかし、俺は知っている。クマは滅多なことでは人間を襲いはしない。

襲われた人の話を聞くと、道端から不意にクマが現れたとか、山菜を探して茂みを掻き分けたらそこにクマが、とか不意に「出会ってしまった」ことがきっかけとなっている。彼らも人間には会いたくないのだ。そこに人間がいることが分かっていればワザワザ姿を見せることはないのだ。

そこで普通は熊除けの鈴を付けたり、ラジオをつけっぱなしにして携帯するのだが、俺には鈴もラジオも無い。そんなことるるぶに書いてなかった。

仕方ないので次善の策。歌うことにした。

誰かに見られたら恥ずかしいが、幸いなことに人なんて一人もいない。今ならジャイアンのテーマを歌っても大丈夫だ。

♪おーれーはジャイアーン・・・がーきだいしょー・・・・・・

これしか知らなかった。短すぎるので他のを歌うことにした。

色々歌っているうちに浦和レッズの応援歌が口をついて出てきた。

これがいい。

さすがに応援歌だけあって元気が出るのだ。歌詞は良く知らないが、どうせ応援するのもされるのも俺なのでそんなこと関係ない。

適当な替え歌を歌い続けていると、呼ばれるように太陽が顔を出す。

夜明けだ。

04:35 中の茶屋到着。

車が2台止まっている。どうやら通常1合目から登るというとここがスタート地点になるらしい。知らんかった。

まだ店は閉まっているが、軒先のベンチは開放してあるので有り難く休ませてもらう。

スポーツドリンクを一口飲み、出発。

いよいよここから山道だ。


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