2006/10/03

【Flick】ドッグ・ヴィル


ドッグヴィル
(2003、デンマーク)
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:ニコール・キッドマン
    ポール・ベタニー




床に家や道などを表わす白線を引き、必要最小限の家具などを置いただけの殺風景なセットを村に見立てて3時間弱に及ぶ全編を撮り上げ、初公開となったカンヌ国際映画祭で話題騒然となった衝撃の問題作。ギャングに追われる一人の女性をかくまうことにした小さな村を舞台に、女性と村人の関係の移り変わりをプロローグと9つのエピソードに分け、緊張感溢れるタッチで綴ってゆく。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督による“アメリカ三部作”の第1弾。主演は「めぐりあう時間たち」「ムーラン・ルージュ」のニコール・キッドマン。あまりにも独創的なスタイルゆえに、撮影期間を通して戸惑い、追い詰められていく出演者たちの姿を捉えたドキュメンタリー「メイキング・オブ・ドッグヴィル ~告白~」も製作され、別途劇場公開される。
 ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィル。ある日この村の近く、ジョージタウンの方向から銃声が響いた。その直後、村人の青年トムは助けを請う美しい女性グレースと出会う。間もなく追っ手のギャングたちが現われるも、すでに彼女を隠し、その場を切り抜けるトム。彼は翌日、村人たちにグレースをかくまうことを提案した。そして、“2週間で彼女が村人全員に気に入られること”を条件に提案が受け入れられる。そうしてグレースは、トムの計画に従って肉体労働を始めることになるのだが…。
(allcinemaより)






すごい映画だ。


何が凄いって、まず壁がない。
物語はロケではなく、全てスタジオのセットの中で行われ、7,8軒ある家屋の全てには壁がない。境界は床にひかれた白線で表されているだけで、家の中にある家具も丸見えだ。もちろんドアもなく、家に出入りするときはドアを開閉する一人芝居をする必要がある。映画というより演劇だ。
監督はダンサー・イン・ザ・ダークのラース・フォン・トリアー。きっとこういうのが好きなんだろう。


物語もダンサー・イン・ザ・ダーク同様、救いがない
詳述は避けるが、ある種の信念が持つ美しさというものは、この作品ではまるで捨てられている。好き嫌いが分かれそうなのもダンサー~似だ。

しかし、ニコール・キッドマンは美しく、セットの町の異様な雰囲気にもすぐに慣れ、作品そのものは楽しめた。
哲学や宗教、知的な遺産を残してきた人間という存在の矛盾を突くようなストーリーはダンサー・イン・ザ・ダークと通底するものもあり個人的には好きなんだけど、「愛を抱えた女がその真っ直ぐさゆえに虐げられる」という作品を2度にわたって作った監督の意図が気になるところでもある。過去に女関係のトラウマでもあるんじゃなかろーか。(邪推&大きなお世話)

無駄をそぎ落としたセット同様、演出にも派手なものはないのでハリウッド大好き!な人には眠いだけかもしれない。3時間弱と聞いてもひるまない人にはいいと思う。


総評 79点  トリアー、女いじめすぎ!⊂彡☆))Д´)パーン   

                   

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