2007/07/02

「量子論」を楽しむ本


PHP文庫
佐藤勝彦 監修
2000年初版

「タイムマシンってやっぱり出来ないらしいよ」と聞けば、「えー。どーしてどーして」となるものだし、「光速近くまで加速すると本当にワープするらしいぜ」と聞けば、「それはどういうことですたい?」と思わず身を乗り出してしまう。理解する頭脳もないわりに好奇心は人並み以上に強いのだ。
そして世の中には、同類の人間が相当数いるらしく、本屋に行くと雑学系コーナーは「図解!」とか「分かる!」と「カンタン!」とかやたら「!」を多用した解説本で賑わっている。表紙には昭和の香りがする古臭い男女の子供が描かれてたりして、いかにも「馬鹿でも分かる」雰囲気を醸し出している。

で、実際買ってみると、これが大体分かる。正確には分かったような気にはなる。
どうせ分かりそうもないところは大きく端折って、「これはこれとして覚えておいてくださいね」という、実は何の説明にもなっていない説明が用いられつつも強引に結論へ邁進していくので、とりあえず最後まで読めるようになっているからだ。最初から最後まで順を追って読めばとりあえず分かったような気になるものなのだ。

ところが、この本は最後まで読んでも全然分からんかった。

最初から分からところの見当がついていて、そこを頑張って解説してくれているのに分からん。
類似の多くの本の様に説明を放棄しているのならともかく、「難しいですが頑張ってみます」と、真摯に説明を試みてくれているのに分からん。こちらも折角買ったんだし、せめてイメージだけでも掴みたいのだが全く分からん。全然ダメ。
こうなると自分が馬鹿である物証を金出して買ったようなもんだ。これは辛い。
(以下グチ)
この間の「光とはなにか?」のエントリでも書いたけど、粒子が波ってのはなんのなのよ?
意味分かんないっす。
この本にも書いてあったけど、なんかサッカーボールみたいな構造をした分子でも波動性が発見されたとか。で、おそらくは全ての物質と言うものは波動性を持っていると推測される、とか。

で、波動性ってなんなのよ?

物質波ってなんなのさ?

一体俺やあなたが何で出来ているっていうのさ?

その後、粒子が波であるから粒子の位置が観測されるまで確率的にしか存在しない、とかトンデモ理論に発展するので、便宜上波と捉えれば説明できる現象があるからそうとされているんだろう、と納得できる解釈で逃げようと思ったら、丁寧に否定された。

(以下引用)

ただし、電子の位置が確率的に決まるとは「電子の位置はどこか1ヶ所に決まっているが、私たちはその場所を確率的にしか推定できない」という意味ではありません。電子の位置は、まるでサイコロを振ってその目に応じて電子の発見場所が決まるように、確率的に(いわば偶然の要素で)決定されるのだとボーアたちは考えたのです。<br>

(゚⊿゚)?

偶然の要素で決定される。のであれば、何故、「決定前」の状態というのがあるはずが、その状態での電子の振る舞いは分かっていません。ということにならないのか?
(゚⊿゚)?

波動の収縮という理論が打ち出されているが、それは観測できないことを前提にした理論であって、それは理論ではなく解釈ではないのか?
この辺が最初から分からなくて、読み終わってもやっぱり分からなかった。
あぁ、完全に勉強不足だ。。orz


収穫といえば、粒子がとびとびの値を取る動きをする、という初めて聞いたけどイメージできるような気がしないでもない理論も知れたことくらいか。
もう理系雑学には能力がついていけないなぁ。
数式でモノを考えられる頭脳が欲しいぜ・・。

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