2005/11/10

【Trash】仏暴動


フランスの暴動が止まらない。

貧しい移民系の若者を中心に、10月末から連夜続く放火・略奪・破壊活動は1955年のアルジェリア戦争以来となる非常事態宣言が為される事態となった。(画像は9日、EPA=時事)。暴動は国内にとどまらず、隣国ベルギー・ドイツでも車両放火などが確認されている。

何が彼らを駆り立てるのか。
不満か。不安か。それは極東の島国に住む我々には理解出来ない心情なのか。俺にはそうも思えないのだ。

報道によると、暴動の中心となっている移民2世、3世は貧困地域から日銭を求めて海を渡った親世代と違って、フランスで生まれ、そこで育ち、教育もフランス語で受けている。フランス政府は彼らをフランス人として育てようとした。いわゆる「同化政策」というやつだ。
そうしてフランス人として育てられた移民の子供たちだが、いざ社会に出ようとすると就学・就職や入居審査で差別を受けることとなる。

お城の中で平等に育てられた雇い人みたいなものだ。
決して届かない生活が目の前にあり、それはガラスの壁の向こう側にある。昨日までの友人はいつの間にか壁の向こうにいて、パーティーの準備をしている。
声も聞こえない華やかなパーティーを見て彼らは気付くのだ。友人達はずいぶん前からそのルールを知っていて、その壁を取り外すつもりなどないことを。
彼らはガラスの壁を叩いているのだろう。


情報化社会、人はあらゆるものを見て触れて、そして欲する。
欲しがる者が悪いのだろうか。与えぬ者が悪いのだろうか。

最悪なのは気付かない振りをすることだということだけは間違い無い。


壁はいつ出来てしまったのか。
日本は今、考える時なのではないだろうか。

そう、最悪なのは気付かない振りをすることなのだ。

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