2005/11/08

定期借家契約

土曜の午後、飯を食いに新宿に寄ったらアルタ裏の路地に物件が貼り出されており、何の気もなしに見ていたら衝撃物件があった。

高円寺駅徒歩7分、RC造り新築分譲マンション1DK27㎡BT別、家賃68000共益費込!

すげぇ。
釣り広告かもしれんが、ホントだったら住むしかないので実情を確かめに広告主の不動産屋を訪ねた。
結論から言えば、これは「定期借家契約」物件だったから安いということだった。

定期借家契約とは―通常の賃貸契約では、あらかじめ決められた期間(大体2年)が過ぎると所定の更新料を支払い契約を更新することになる。もちろん更新しなくてもいいのだが、この選択権は居住権を持つ借家人にあり、借家人によほどの問題が無い限り大家の意向で契約を打ち切ることは出来ない。借りてる本人が住みたいという限り住まわせ続けるしかないのだ。
これに対し、「定期借家契約」は字面の通り一定の期間契約で物件を借りる契約を指し、期間満了後にその物件をどうするかは大家次第なのである。また、期間で契約しているので契約期間中に不測の事態に退去することになっても期間中は賃貸料を払い続けなくてはならない。
このように大家に有利な条件となっているので、その分家賃は低く設定されることが多いのである。

上記の物件もこの「定期借家契約」で、期間は来年の3月までということだった。
やはり世の中そんなに甘い話はないのだ。
不動産屋の話によれば、この物件は通常ならば9万以上はするので短期間でも住みたがる人も大勢いるのだが、フリーターやホスト、風俗嬢などばかりなので(さすが新宿)、大家さんの審査をパスしないらしい。なんでもこの大家さんは外務省のお役人さんで、留学中の娘のために買ったこのマンションを帰国までの間貸しに出したくて、その帰国が来年3月をいうことらしい。
俺ならば問題ないので是非借りてくれ、といわれたが丁重にお断りさせて頂いた。


今回は娘が帰ってきたら確実に追い出されてしまうのだが、単に大家さんが居住人の選択権を握っておきたいがためにこの契約形態を選ぶこともあるらしい。その場合ならよほど変なことさえしなければ追い出されることもないだろうし、もちろん家賃は低めの設定だ。
「定期借家契約」。場合によっては狙い目かもしれない。

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