2005/12/16

【SingleLife】最後の夜

今日、仕事を早めに切り上げ一旦帰宅した後スーツやネクタイ、洋服、靴、友人から貰った小さなテーブルを運び込んだ。
レンジなどまだ揃っていない物もあるが衣服を向こうに移したので、いよいよ生活の拠点が移ることになる。
俺は両親と3人兄弟という家族の下に生まれ、育ち、いくつかの引越しがあったが幼稚園に入る頃からは建替えの期間を除けばずっと現在の居住地にいる。つまり引越しそのものも初めてだ。
割と軽い気持ちではあるが、転校も転職もしたことが無い環境・性格から考えてもすぐに放擲して帰宅することもないだろう。今日で人生の一区切りだ。
お袋は海外旅行中で不在だ。最近は年に何回も海外に出掛けるようになり遊びすぎの批判を浴びるが、3人の子供に忙殺された30年を思えばそれも許される贅沢だろう。親父も何も言わないし、充分に楽しめばいいと思う。今まで育ててくれたことを感謝しきれないほど感謝している。
いつもは10時には寝てしまう親父が、俺が荷物を置いて帰ってきても起きていた。その後も11時半くらいまで起きていて2人でテレビを見ていたが、交わせた会話と言えば人の噂話や社会問題についての他愛の無いものだった。俺が風呂に湯を張り、バスルームに向かうと親父は、じゃあ俺は寝るわ。じゃあな。といって2階に上がっていった。いつもは「おやすみ」だが、今日は「じゃあな」。

今までお世話になりました。
必ず成長しますので後のことは心配なく。

ありがとう、親父。

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