2006/02/03

【Flick】ディープ・ブルー


ディープ・ブルー
(2003年、イギリス/ドイツ)
監督: アラステア・フォザーギル
    アンディ・バイヤット
製作総指揮: アンドレ・シコエフ
         ニコラウス・ヴァイル
         ステファン・ベイトン




自然・動物ドキュメンタリー製作において、長年に渡り世界的に高い評価を受けるイギリスBBCが、かつてないスケールのプロジェクトとして取り組んだ驚異の海洋ドキュメンタリー。撮影に4年半もの歳月を費やし、200ヶ所ものロケ地をめぐって撮り上げた合計7000時間に及ぶフィルムを基に、深海5000メートの未知の世界から、お馴染みの生き物たちの知られざる生態まで、“海の神秘と美しさ”を余すところなくカメラに収めた感動作。日本でも2002年にNHKで全8回のミニ・シリーズとして放映され大反響を呼んだドキュメンタリー番組「海・青き大自然」で使われた素材から、スペクタクルなシーンを中心に厳選、劇場版として再構成。(allcinemaより)




前提として、これは「映画」ではない。
もし映画として観るなら30点くらいの出来の完全な未完成品だが、ドキュメンタリー映像集としては非常に秀逸。とにかく本当によくもまぁこんな映像が撮れたものだ、という素人でもその貴重さが容易に想像できる映像のオンパレードである。

捕らえたアシカを空高く跳ね上げるシャチ、竜巻の様に大渦を巻く魚群、それを狙って海面に突き刺さる海鳥、大口を開けて食らいつくクジラ、海中から氷の大地に跳ね上がる皇帝ペンギン、隣人を狙う珊瑚、薄暗く光る深海生物、有毒物質を湧出する海底火山に住む不思議な生物達、息継ぎに来たイルカを狙うホッキョクグマ。圧倒的な迫力で自然の大きなうねりを映し出す。喜怒哀楽に満ちた人間の一生だが、それもほんの瞬きに過ぎないのだと改めて実感する。

この壮大な映像に音楽と効果音を被せ、ナレーションを挟みながら見せて行くというだけの構成だが、これがいただけない。音楽は大仰だし、効果音もいかにも人工的で興ざめだ。
ナレーションも所々に思想めいたものが感じられ、押し付けがましく感じるときもある。特にラスト付近の「シロナガスクジラはかつて30万頭いたが現在ではその1%。人間が海を壊している。」とのくだりは、そういうことはグリーピースにでも任せとけ!と言いたくなる。
テーマ、構成、演出などはテンでダメなので、先に述べたとおり美しき自然映像集として観るのがいいだろう。評価もそれでしたいと思う。

一つ一つのシークエンスはどこを取っても美しく神秘的なので、プロジェクターがある人は音を消して流しているだけもいいかもしれません。出来るだけ大画面で観ることをオススメします。


おまけにプロジェクター(エプソン TW600)の話。「オープン・ウォーター」のエントリに、画面いっぱいに海面が映し出されるとシャギーが目立つと書いたと思うけど、今回はそんなことはありませんでした。このプロジェクターは本当にソース次第なんですね。単純に画面が大きいので粗が目立つのかもしれませんが、DVD借りるのが怖くなっちゃったな。みんなこうしてハイビジョンに流れていくのだろうか・・。金がねぇー!


総評 87点 (^O^)ノ これはドキュメンタリー映像集です

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