2006/02/07

【Flick】ビューティフル・マインド


ビューティフル・マインド
(2001年、アメリカ)

監督:ロン・ハワード
出演:ラッセル・クロウ
    ジェニファー・コネリー
    エド・ハリス他








集団における個人の意志決定メカニズムを定式化した“ゲーム理論”を構築し、後の経済学理論に大きな影響を与えノーベル経済学賞を受賞した実在の天才数学者の数奇な人生を「グラディエーター」のラッセル・クロウ主演で映画化した人間ドラマ。共演はエド・ハリス、ジェニファー・コネリー。監督は「アポロ13」のロン・ハワード。第59回ゴールデン・グローブ賞では作品賞、主演男優賞はじめ4部門を獲得。 1947年9月、プリンストン大学院の数学科に入学を果たしたジョン・ナッシュ。彼の頭にあるのは「この世のすべてを支配する真理を見つけ出したい」という欲求のみ。ひとり研究に没頭するナッシュは次第にクラスメートからも好奇の目で見られるようになる。しかし、ナッシュはついに画期的な“ゲーム理論”を発見する。やがて希望するMITのウィーラー研究所に採用され、愛する人と結婚もしたナッシュ。しかし、米ソ冷戦下、彼の類い希な頭脳が暗号解読という極秘任務に利用され、彼の精神は次第に大きなプレッシャーに追いつめられていく……。(allcinemaより)








事前には、ラッセル・クロウ主演、ゲーム理論(ナッシュ均衡)を生み出した天才数学者の半生を描いた物語―。という予備知識しかなかったので基本的にサクセスストーリーだと思っていたら随分と毛色が違いました。
彼が天才数学者であることは単なる背景として扱われ、作中には「ゲーム理論」という言葉も、「ナッシュ均衡」という言葉も出てきません。そのせいもあり、またラッセル・クロウの野生的な風貌と過剰気味の演技も相まってナッシュが高度な頭脳の持ち主であることがイマイチ伝わって来ないので理論について、あるいは数学者としての能力についてもう少し説明的な場面があった方が良かったようには思います。DVDのオマケに付いている、ナッシュが囲碁を打つ学生に不動点定理を示唆して、さらに部屋を出るついでに黒板の問題を解くシークエンスなどは彼だけでなくソルの優秀さとナッシュへの信頼が同時に伝えられるので入れても良かったのではないかと思います。本編だけではナッシュとソルの信頼関係は読み取れないと思うのですが、それは僕の読解不足でしょうか?

キャスティングとしては、先述の理由でラッセル・クロウはイマイチだったように思う。好きな俳優だし、演技も悪くないと思うのだが、今回はミスキャストに思える。
対して、ジェニファー・コネリーは素晴らしい。もともと好きな女優(というかぶっちゃけ好み)であったのだが、この作品では「天才数学者ジョン・ナッシュの生きる意味」というとても大きな存在を正面から受け止め演じきっている。
作中の彼女は、「あぁ、こんな女性を笑わせることが出来たならどんなに幸せな気分になれるだろう」と思わせ、それだけは失いたくないと願わせる眼差しを持つ。それがあるからこの作品は成り立つといっても過言ではない。
美しいです。とても美しいです。ハイ、負けました。

総評 89点
   _
∩ ( ゚∀゚)彡 JENNIFER!JENNIFER!
    ⊂彡

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