2006/02/06

【Flick】17歳の処方箋


17歳の処方箋
(2002年、アメリカ)
監督: バー・スティアーズ
製作: リサ・トーネル
    マルコ・ウェバー
脚本: バー・スティアーズ
撮影: ウェディゴ・フォン・シュルツェンドーフ
音楽: ウヴェ・ファーレンクロッグ=ピーターソン
出演: キーラン・カルキン
    クレア・デインズ





エリートの家庭に育ちながらも、10代に特有の反抗心を抱え周囲の人や社会に対して怒りをぶつける一人の青年が、様々な経験を通して少しずつ成長していく姿を描いた青春ドラマ。主演は「イノセント・ボーイズ」のキーラン・カルキン。「10日間で男を上手にフル方法」の脚本で知られるバー・スティアーズの監督デビュー作。 17歳の少年イグビーは裕福な家庭に生まれ、何不自由ない恵まれた環境に暮らしているように見えたが、実際はあらゆる大人に対して反発を繰り返す毎日だった。母親は何かと干渉し、兄が絵に描いたような優等生なのも面白くない。父は彼が幼い頃に精神病を起こして以来ずっと入院していた。イグビーは何度目かの退学後、ついに士官学校に入れられてしまう。しかし結局そこも抜け出して、彼の名付け親D.Hがいるニューヨークへと向かう。イグビーはそこでスーキーとレイチェルという2人の美しい女性と出会うのだった。 (allcinemaより)






甘ったれのボンボンの言い訳を感動的に描こうとした失敗作。
リムジンの後部座席で何も無い人生を嘆く少年が厳しい母に、イカれて病院に入った父に、行動力溢れる成金に、その退廃した愛人に、瀟洒なパーティで出会った美女に、皆に甘やかされ結局何も理解しないという、意味不明な物語である。

主人公は「頭が良いが素行が悪く、生意気だがどこか憎めない半分子供で、自分でもそれが分かっているが認めない少年」という設定だと思うが、主人公役のカルキン君は全くこれを演じ切れていない。
育ちのいい根っからのボンボンが悪ぶっているのを、育ちのいい根っからのボンボンが演じているのが透けて見える。一口で言えば、いい加減な仕事をしている、という印象が拭えない。
この物語が成立するには「主人公が馬鹿ではない」という前提が必要となる。馬鹿ではないというのは、ぼんやりとでも何か理解していていて、それに気付いて理解しようとしている、という意味だが、この映画の中の少年はそれに気が付いていない。そして最後まで気が付かない。物語の全ての伏線は意味を持たなくなってしまっているのだ。
この映画は残念ながら物語になっていないのだ。

主人公の兄や、成金(主人公と絡む設定もあるのだが裏打ちも無く無価値)の愛人など、いいキャスティングも見られるだけに、駄作というよりは失敗作でしょう。
個人的には、ただイライラするだけの作品でした。


総評  17点  ┐(´ー`)┌ 和訳タイトルも意味ワカンネ

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