2007/05/21

ハンニバル・ライジング



ハンニバル・ライジング(上・下)


トマス・ハリス (高見 浩訳)


新潮文庫






レッド・ドラゴン

羊たちの沈黙

ハンニバル

そして今回のハンニバル・ライジング

トマス・ハリスは30年作家生活の中で、上記4作とデビュー作「ブラック・サンデー」の計5作しか書いていない寡作家。ハンニバルシリーズ専門の作家みたいになってしまったな。

寡作なのはいいけど、羊たちの沈黙の大ヒット後にスピン・オフ連発、ライジングに至っては脚本まで手掛けているとなると”商売っ気”が透けて見えて嫌な感じだよねぇ。


と、負の感情を持ったまま読み始めてしまったからか、どうも映画化を念頭に描いたと思われる箇所が目に付き物語の世界に入り込めない。過剰に映像的な描写が却ってこちらの想像力を阻害してしまう。頭の中でキャラが動き出さない物語ほど退屈なものはなく、読み終えるのに随分時間が掛かってしまった。

坊主憎けりゃ、じゃ無いけど、降って沸いたような日本文化礼賛も哀れなユダヤ人登場も媚びに聞こえ、ボリュームの無い上下巻化も憎く思えてきた。


大多数の人と同じだと思うが、俺自身も映画の「羊達の沈黙」から入ったクチなので、最後はやはり映画を観て判断したいと思う。
劇場に行こうと思ってたけど、DVDでいい気はしている・・。

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