2007/05/24

ウォーク・ザ・ライン



ウォーク・ザ・ライン
WALK THE LINE
(2005、アメリカ)
監督: ジェームズ・マンゴールド
出演: ホアキン・フェニックス  ジョニーキャッシュ
リース・ウィザースプーン  ジューン・カーター



ボブ・ディランをはじめ数多くのミュージシャンに多大な影響を与えたカントリー・ミュージックの伝説、ジョニー・キャッシュの波乱に満ちた半生を映画化した感動のヒューマン・ラブストーリー。ドラッグから奇跡の復活を果たしたキャッシュと、彼の2度目の妻となるジューン・カーターとの10数年におよぶドラマティックな愛の軌跡を情熱的に綴る。主人公の2人を演じたホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーンは、劇中の歌のシーンも全て自分たちでこなす熱演を披露、各方面から絶賛された。監督は「17歳のカルテ」「“アイデンティティー”」のジェームズ・マンゴールド。 綿花栽培の小作で生計を立てる貧しい家庭に生まれたジョニー・キャッシュ。酒に溺れ、暴力を振う父に怯える毎日だったが、そんな彼の心の支えは優しい兄ジャックとラジオから流れてくる少女ジューン・カーターの歌声。ところがある日、その最愛の兄が事故で亡くなってしまう。父はお気に入りのジャックのほうが死んだことを嘆き、そのことがさらにジョニーの心を深く傷つける。やがて成長したジョニーは2年の軍隊経験を経て初恋の女性ヴィヴィアンと結婚、訪問セールスの仕事に就く。しかし仕事はうまく行かず、趣味のバンド演奏をまるで理解しないヴィヴィアンとの間にも溝が深まるばかり。その後、プロのミュージシャンとなったジョニーは、全米中をツアーする中で、少年時代の憧れ、ジューン・カーターとの共演のチャンスを得るのだった。(allcinemaより)



またまた登場、近所のビデオ屋ランキングの2位の作品。

ベスト10の中でなんとなくこれだけ観ていなかったのだが、結論からいうと直感は正しかった。

ムカついてしょうがない物語だった。
ジョニーみたいな奴、大ッ嫌い。

以下、俺の目に映ったジョニーの半生を淡々と書き出す。
ムカついているので全ネタバレ
観てない人は読まないでね。

子供の頃、優秀な兄貴が一緒に出掛けた時に自分が遊んでいる間に事故で死んでしまい、「神はいい子を連れていった」と父に嘆かれる。「お前が死ねばよかったのに」みたいなことも言われる。(これは可哀相)

やがて青年になり軍に入る。
軍隊では歌を歌ったり女を電話口で長々と女を口説いたりばかりしていた。

帰国後、オーディションに合格し一躍スターダムにのし上がると、ツアー先でファンの女性を食いまくり、なかなかヤラせない歌手の女(ジューン)を追っかけ回し、所構わず酒を飲み、ドラッグに溺れるなど家庭を顧みず放埓な毎日を送る。遂にはラリッたままステージに上り、ぶっ倒れる。
当然コンサートツアーは中止。正直周りは大迷惑。

帰りの空港で覚せい剤所持・使用で?逮捕される。
何故だか実刑も喰らわず。

釈放された後、久々に帰った自宅に帰るも、いきなり壁にジューンの写真を掲げるという暴挙に出てそれを咎めた妻を張り倒す。子供の前で張り倒す。
子供を連れて出て行く妻に「子供を巻き込むな!」という意味不明の主張をする。(妻はシカトして行ってしまう。)離婚。


ある日、いつものようにラリッたままジューンの自宅を訪れ、もちろんラリったままプロポーズする。
もちろん断られる。

その後、静かな湖畔にデカイ家を買って、引越し祝いのパーティーに両親・親戚と何故かジューンとその家族を招くが、その席上でまたも一人で酩酊しクスリをあおってラリってしまう。
それを親父に諌められると逆切れして来客を放置して外へ飛び出してしまう。

困惑して帰る家族達に目もくれず捨ててあったトラクターと格闘しているジョニーを、なぜかジューンと何故かジューンとその家族は暖かく見守り、彼を薬から立ち直らせようと湖畔の家に住み込み訪れてくるヤクの売人を猟銃で追い返すなどして彼を守り、遂には彼は禁断症状を脱することに成功する。
なぜこんなことをするのか。正直ジューンもラリっていたとしか思えない。


その後ジューンと一緒に歌手活動を再開したジョニーは。移動バスの中で疲れて眠るジューンを叩き起こし、「結婚しよう」「アホか、寝ろ」「怖い夢を見た。結婚しよう」「知るか。私眠いの。分かる?」「・・・結婚しよう」などという極めて身勝手なプロポーズを断られると、次はなんとステージ上で、演奏中にプロポーズした。


(音楽)ジャカジャカジャカ・・
「結婚してくれ」
「え?」
ジャカジャカジャカ・・
「結婚してくれ」
「な、なに言ってんの?それより歌いましょ」
「結婚してくれ」
「お客さんは歌を聴きに来たのよ。つーか今仕事してんのよ?分かってる?」
ジャカジャカジャカ・・
「40回プロポーズした。違う答えを聞かせてくれ」
「お願い。歌って」
ジャカジャカジャカ・・
「結婚してくれなきゃ歌わない」
ジャカジャカジャカ・・
「・・・・・」
「いいかい?いいだろ?幸せにするからさ?」
ジャカジャカジャカ・・
ジャカジャカジャカ・・
「・・・いいわ」


☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエー
今夜、俺、サイコー!

バンド大迷惑。


その後も自らの名声をと愚鈍な大衆からの支持を上手に換金しながら、別れた奥さんと子供に縛られることも無く左団扇で末永く幸せに暮らしたのであった。めでたしめでたし。


ってな感じ。


こういうタイプの人間っているんだよねー。

悪いことは全部他人のせいで「反省」の概念すら持たず、感謝の意味さえも知らず、自分で自分を王様認定して、そのことに自覚すらない奴。


こういうやつは自分を王様だと思ってるから例え腰が低くても偉そうで(ジョニーは腰が低くも無かったが)、偉そうにしていると知らないひとからは偉く見えてしまったりするので女にはモテて、それでまた自分が偉いことを確信してしまい、そのように一度心の王様が誕生していまうと、その後に自分の無知・無能・自堕落さ故の苦境に陥っても、「本当は偉い俺」が苦労しているのは周りが悪いのだとしか考え、女を殴ったり上司に悪態ついたりするんだけど、それをまた知らないひとが見て「この人は大物だ」勘違いして、それが王様の確信を更に深めて(以下、ループ となる。


結果それが成功することも多々あるとは思うけど、俺はこういう奴は好きじゃない。
カントリーの大物だかなんだかしらんが、俺は嫌い。父の「お前が死ねばよかったのに」に深く共感する。


以上。


満足度 7点 ムカツクくらいの名演だったともいえる。

0 件のコメント: